研究室で内輪LT会(ナレッジプール)をやってた話

自分が大学院生のときに研究室でナレッジプールと呼ばれる内輪勉強会を大体1年半ほどやっていたときの話です.

そもそもナレッジプールとは

こちらの記事を参考にしました.

fromatom.hatenablog.com

めちゃめちゃざっくり書くと技術とかの話題に囚われないLT会みたいなもの.自分の好きなことだったり,ハマってること,生活の知恵みたいなことをなにも縛られずに話していくような感じ.大体週1で開催して,発表担当者が1~3人くらいで回していく.お前が好きなことを話せばええんやでみたいなこと.任意参加だし,聞いてる途中はご飯とか食べててもいいよ~~って感じでゆるくやっていた.

そんなん聞いて楽しいのか,なんてことも思うけどこれが不思議と楽しいものになる.というのも,各々自分が「好きなこと」を話してくれるのでまず内容が全然薄くない.各オタクが各界隈の「ここがいい」を熱心に話してくれる.熱量のある話っていうのは前提知識がなくても大抵惹き込まれるもので,聞いているだけで「あれ,これって全然知らなかったけどもしかして面白いんじゃないか」なんて気持ちにもなる.

ただ,この記事にも書いてあるようにナレッジプールで検索してもそれっぽいことはなにも出てこないし,せいぜいNPO法人mtgのカード*1しかヒットしやがらない.どこから出来たんだこの単語.

研究室で開催した目的

なんでこのナレッジプールとかいうのを研究室でやろうと思ったのか.モチベーションとしては何個かあって1つはうちの研究室のメンバーに「発表」というものに慣れてほしいなぁというところ.どうも,定例会みたいなところで発表している姿を見ても硬すぎる人が多すぎてなんだかなぁと思うことが何度かあったのでそれを解消したかった.少なくともうちの大学で生きていると自分から活発に外に出ようとしない限り発表の場は限られているので,経験がないだけなのではという仮説があったので試行してみたかった.

加えて,学年関係なくもうちょっと交流の幅が広がればいいなぁと思ったこと.自分の研究室にもSlackとかはあるんだけどただの連絡場所と化していて基本的に硬い雰囲気になっていた.趣味のことで話す機会が全くといってない.加えて,研究室の人間なんて最初の1分くらいの自己紹介でしか知らないので誰がなんの世界に生きているのかもわからなくて,会話の糸口がちょっと掴みづらかった,なんてこともある.全然自分の趣味を話さない人間でもいざそういう機会ができるとめちゃめちゃ濃い話が出てきたりするし,性癖(この性癖は性的嗜好という意味ではない)がどんどんどんどん出てくるのでむしろ普段あんまり話さない人間こそ話してみてほしいみたいなところがある.他人の好きな話は楽しい.

最後に研究室の設備についての知識の属人化が起き始めていたこと.サーバー関連だとか3Dプリンターの使い方だとか,導入しはじめた人間は使えるけどその使い方などは全く誰にも伝えられていなかったので,こういう機会に(あわよくば)マニュアル化されないかなぁなんてことも思いつつ.

あと微妙に付け加えるなら単純にそのとき僕が「なんかLT的なのしたいなぁしたすぎる」ってなんとなく思ってたのでタイミングが噛み合ってただけ.好きなこと,話したいじゃん?

ってことを考えてたときに,さっきのナレッジプールの記事を偶然見つけて,やりたいことが実現できそうだったから開催してみました.やり始めたのは僕がM1の6月あたりから.

行われた発表たち

ということで1年半続けてきました.1番最初はこの会を浸透させるために自分から熱量のある話を提供したり~~とか色々考えたりはしましたが一度レールにさえ乗っちゃえば各オタクが勝手にオタクトークをしてくれるのでよかったです.

以下は発表されてきたスライドタイトル群.合計96回の発表で,23人が発表してくれました.もちろん1回しか発表してない人もいますが,多い人で9回くらい.ちなみに僕は主催者だけあって14回発表してました.まぁ多少はね.

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自分の発表はいくつか外部向けに調整して公開しています.興味のある人は.

speakerdeck.com

1年半やってきた上での感想

手前味噌ではあるんですけどこの会やっててよかったなぁ~~~~~~~~~ってのが1番に出てきます.明らかにこれをやり始めてから研究室内で他の人と会話することが増えたんですよね.というのと,ここで発表したことがきっかけに研究室内で流行り始めるなんて流れも何回かありました.例えば,お昼ごはんのパスタ生活だったり,mtgのパックをみんなで買って遊んだり,急にみんな五等分の花嫁を読み始めたりと,です.僕もこの会をきっかけに五等分の花嫁を読んだし,青春ブタ野郎を見ました.あとは自分が発表したシャニマスのスライドだったりプリティーリズムのスライドも相当流行ったなぁと思います.シャニマスなんて教えた人間の半分に自分のランク越されて普通にグレ7とかいってるし.あと,流行ったに入れていいのかわかりませんが,夏休みにみんなで集まって恋声で女の子の声に変えて限界女子会をしたりもしました.しかも,何回か研究室の先生が発表をしてくれてたりしました.先生のLTとか普通聞く機会なくないですか?

初めて発表した子が最初はプレゼンがガタガタだったけど,最終回ではその頃では考えられないくらい話の流れがうまくなってたりと謎の感慨深さも生まれることもある.

微妙な反省点としては発表者を決めるときに,自発的に決まらない場合,僕が名指しで「ね!◯◯くん!」って圧(?)を掛けてたのは場合によっては悪くなった可能性もある.結果的にそれで上手く回ってたし,普段の僕の文脈的にそこまでの圧にならないと信じてそう発言してきたけれど,発表者を決めるときにもうちょっとスムーズに気持ちよくできると嬉しいなぁと思ったことは何度かあった.

あとこれは自分の研究室,ひいては大学の性質にも関わってくるけどやっぱりオタクトークの割合が多い.ちらほら技術系だったり生活の知見だったりはあるけど基本的には各界隈のオタクが話し続けるみたいな流れだったと思う.こういう内容の偏りについてはそもそものモチベーションには関係ないから個人的にはあまり気にしていないけれど場合によっては注意が必要かもしれない.

とはいえ,やってきた旨味のほうが多くてやってきてよかったなぁと思いました.自分は卒業するし特にこの会が引き継がれることなくなくなってしまうけれど,まぁその点は自己満でやってたのでよし.というか,ここに参加してた人間の8割くらいが就職組なんですよね.それに関してはもうしょうがない.